一般に低標高の草原を生息地とする蝶は開発の影響を受けやすいが本種はその代表格である。以前生息していた関東、中部では絶滅し、現在はわずかに生き延びている中国地方でウスイロヒョウモンモドキとともに環境を含めた保全活動がなされている。私自身も70年代の終わりには八ヶ岳山麓では多数採集しているし母校の高校には60年代に採集された愛知県産標本もたくさんあった。開発の影響もあるが、信州では環境が残っているのに消滅した産地も少なくない。京都に住んでいた頃、中国地方も少なくなってきたので「今のうちに」と思って友人と2人で撮影に行ったが、その頃は「採集者の入っていない休耕田」を適当に探せばまだ簡単に見つかる状態であった。ここに紹介する写真はその時のものである。